厨房からのメッセージ


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食の大切さを伝える言葉に「薬は小薬、食は大薬」というものがあります。身体にとっていちばん大きな薬は食なのだという考え方です。お医者様の薬を否定するわけではありません。ただ私たちが思う以上に、毎日の食事が味覚に、心にまでアプローチしていることを、私自身の体験や仕事を通じて多く見てきました。そんななかでよく思うのは、身体をこわした時の「食の戻り道」を知っていると良いなということ。少しの工夫と知恵によって自分に「戻り道」を用意しておけたら、さらに家族にも用意してあげられたら、不調時において食は大きな薬としてじわじわと効いてくるのです。そしてそれは自分や家族が健康や笑顔を取り戻すための大きなプレゼントになります。これまでなじんできた食や味とは少し違う景色を見ることになるかもしれません。ですが、新しい食体験によって自身が好調(腸)を実感することで、その景色は次第に素晴らしい景色に変わっていくだろうと思います。この料理教室で、それをお伝えしていきたいと考えています。〈小野美穂〉

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野菜は産地、肉は飼料、魚は漁場まで確認するほどおいしいものへのこだわりが強く、揚げものと甘いものに目がなかった食いしん坊の母が、まさか77歳にしてヴィーガン(=ベジタリアンの究極)のような食生活を始めることになるとは思いもしていませんでした。ですがそれ以上に驚いたのは、新しい食習慣のなかであれこれ工夫しているうちに、いつのまにか母の味覚が変わっていたことです。ヴィーガンと聞けばずいぶんと禁欲的でがまんの多い食生活と思われるかもしれませんが、野菜の旨みや繊細な味わいに感激しながらの食事は、これまでとは違う意味でカラフルであり豊か。おそらくはこれが小野さんの言う「違う景色」なのでしょう。そして景色こそ変わりましたが、母にとっては今も食べることは喜びであり、いわゆる「ゆるベジ」的スタンスで母のかたわらにいる私も、その新しい景色の一端を大いに楽しませてもらっています。この『生き還りのレシピ 料理教室』を通じて、新しい景色の豊かさや楽しさをお届けできればと願っています。〈河野アミ〉


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